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“Jean-LucGodard”

ゴダール・ソシアリスム / Film Socialisme

Film Socialisme

4

2010年 / スイス=フランス
監督:ジャン=リュック・ゴダール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
出演:カトリーヌ・タンヴィエ / クリスチャン・シニジェ / アガタ・クチュール / ジャン=マルク・ステーレ / アイ・アイダラ / マリー=クリスティーヌ・ベルジエ / ナデージュ・ボーソン=ディアーニュ / マチアス・ドマイディ / カンタン・グロセ / オルガ・リャザーノワ / モーリス・サルファティ / エリザベート・ヴィタリ / マリーヌ・バタジア / レニー・ケイ / パティ・スミス

『ゴダール・ソシアリスム』は“こんな事ども”、“どこへ行く、ヨーロッパ”、“われら人類”という3つの物語(もはや"物語"とかっていうありきたりな言葉では言い表せない気もするけど...)で構成されているが、始まりと同時に文学や映画、人物などをめまぐるしく引用させたゴダールの“ライヴ会場”へと放り出される。

そこに映し出されている映像ともそこで語られている内容ともシンクロせずに、乱暴なまでにモノラルとステレオを巧みに使い分け、別々のスピーカーから別々の情報を乗せた音が届く。映像もデジタルとデジタルを意図的に荒く加工したものと35mmフィルムが激しく切り替わり(全編をデジタル版で完成させ、その後ゴダール自身が編集に入り35mm変換を完成させた)、それらが交差する空間は刺激的かつ挑発的な空気に支配され、あたかもゴダール自身がすぐそばで VJ/DJを行ってるかのような、緻密でエネルギッシュで生々しい、まさに“ゴダールライヴ”が時にはブーストを起こしつつ息つく暇もなく展開される。

人類の歴史を築いたとされるエジプト、パレスチナ、オデッサ、ギリシャ、ナポリ、バルセロナの6つの都市を辿る章「われら人類」。そのバルセロナのシーンではFCバルセロナのイニエスタが激しいチャージに遭うスローモーションのTV映像が他の映像と交互に流れる場面がある。

ゴダールの作品には「引用元を知らないと作品を理解できない」といわれるくらい多種多様な引用が登場する。この『ゴダール・ソシアリスム』でも本編を構成するほとんどの要素が何かしらの引用を用いていて、それはまるでFCバルセロナが格下チームを相手にゲームを支配し、次々と強烈なシュートを浴びせるかのように飛び込んでくる。

プログラムにて引用元の一覧が載っていたが、全部で79個の引用が盛り込まれている。これらすべての知識を持って作品に臨めたとしても1つずつ理解して片付けていくのは至難の業だろう。だが、たとえ知らなかったとしても、“BE動詞は使うな”、“言葉のあらゆるイメージを退避させること”、“太陽を襲ってやる 太陽が襲ってくるのなら”、“今や 悪い奴らが真剣だ”などなど、一つ一つのテキストには印象に残るものがあったり、前述のようにそれに映像と音が加わることにより、より興味深く掘り下げてみようという好奇心にもかられる。

気狂いピエロ / PIERROT LE FOU

PIERROT LE FOU4

1965年 / フランス=イタリア
監督:ジャン=リュック・ゴダール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ジャン=ポール・ベルモンド / アンナ・カリーナ / グラツィエラ・ガルヴァーニ / ダーク・サンダース / ジミー・カルービ / サミュエル・フラー / レイモン・ドボス

とにかくすごく詩的だと思った。色彩がキレイ。車のシーンとか。
なんやかんやで逃げ出した2人の男女がフランスの美しい風景と絡み合った感じ。
「ピエロ」「僕はフェルディナンだ」ってのが印象的。「なんでだ?」とか「ん??」とかいうところもあるけど、そういうの考えちゃダメなんだろうなぁ。
あのラストはビックリです。圧巻です。想像するだけでも...。いったん我に帰ってるしね。海キレイだしね。カルチャーショック的なのを受けた映画。