自分の身の回り・自分を取り巻く環境=ぐるり。「ぐるりのこと。」。こんなに繊細で巧妙で、切なさを乗り越えた優しさを十分に感じた充実感が残る日本映画を久々に観た気がする。とにかく木村多江がヤバすぎた。
若い人の知らない中年生活の秘密が愛しく切なく描かれている。
via: 松尾スズキさん (作家・演出家・俳優)
凶悪事件を犯した人間を一定の距離を持ち、客観的に捉えて描く法廷画家という仕事をこなしつつ、女好きで感情を表に出さずに淡々と生きるカナオを演じたリリー・フランキーもそうなんだけど、なんといっても木村多江。
週3回はセックスする日を決めといたりで何事にもきっちりしてる序盤の役回りも去ることながら、流産して精神的にバランスを崩し始めたあたりから、作家の原稿を勝手に書き換えた後輩を叱ったあと窓の外を通る電車の色が反射するシーン、本屋でのサイン会、台風の日に家でカナオがクモを殺しちゃったくだりなどなど、印象に残る素晴らしい演技。良い140分間でした。
- ぐるりのこと。
- アキレスと亀
- ウォンテッド
- イーグル・アイ
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