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クリストファー・ノーラン『インセプション』鑑賞

INCEPTION

楽しみに待ちわびてたクリストファー・ノーランが自ら書き下ろし、10年間も温存してたというオリジナル脚本を映画化した『インセプション』を17日に先行上映でさっそく観てきました。

超SF要素とリアリティの融合

クリストファー・ノーランといえば「バットマン ビギンズ 」⇒「ダークナイト」の流れで大成功を収めた記憶が新しいところだけど、完全オリジナル脚本で切り口である“夢をコントロールして潜在意識に触れる”というアプローチは「フォロウィング」や「メメント」のそれに近いものを感じる。

テーマとなるのは「他者の夢に入ってアイデアを盗んだり植え付けたりする」といういわば超SF的要素が押し出されるが、作品にリアリティを追求し続けるクリストファー・ノーランはその対象をパーソナルに当て、見事な世界観を構築している。
クロスカッティングや逆行する時間、「ダークナイト」を思わすような重低音を響かせた音響などなど、クリストファー・ノーランが得意とする表現が効果的に多く登場し、思う存分“他者の潜在意識”に触れる感覚を与えてくれる。コブがアリアドネに夢を設計し共有することを教授してるシーンは鳥肌が立ちっぱなしだった。よくは見えてないけど、夢の背景って確かにあんな風になってるかもー!とゾクゾクしっぱなしだった。さらにアリアドネはその概念を覆そうと、設計上重力をなくしてみたりして独特な視覚効果で奇妙な世界へ連れて行ってくれたりする。

大きなポイントとなるのが夢に“階層”があるという部分。夢を見てる中でさらに夢を見て夢を見る。いつか見た夢で自分もそんなことをやってたんじゃないかなと思ったりする反面、それぞれの階層で起こっていることがすべての夢に関連付けされ反映される、今見てるシーンは何階層目だったっけ?あの一件ってそもそも夢だったっけ??などなど、クリストファー・ノーランの真骨頂とも言うべき複雑化する構成となってるんで、ある程度の整理も必要になってくるかもしれない。ボケーっとできるヒマなど一切なく、2時間30分のアイデア植え付け大作戦が加速する。

コブ役のレオナルド・ディカプリオもスコセッシの「シャッター・アイランド」といい、複雑な背景がある“切ない男”という難しい役回りが続くけど、とても良かったんじゃないかと思います。意外にも重要な立ち位置で登場する渡辺謙も堂々たる存在感でした。

category

Movie

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