村上春樹の原作は読んでないんですが、鑑賞直後は「とてもいい作品を“読んだ”なぁ」という印象があまりにも強く残り、公開日に観に行ったんですがこの1週間はそんな余韻に浸った週となりました。
壮大かつ残酷なまでに響き渡る音楽と、登場人物たちの心境をこれでもかと表すかのようなカメラワーク、そして出演者たちの繊細かつダイナミックな演技。冒頭からキズキが自殺をするシーンまでの流れから始まり、終始圧倒されっぱなしでした。デリケートな内容ながら重要になってくるのがシーンの切り替わり方だと思うんですが、とても巧妙で丁寧に作られてるなぁと感じました。歩く、緑、雨音、雪、波、電話、どれもが確実に心に届いた。素晴らしい素敵な1本です。監督・脚本はベトナムのトラン・アン・ユン。そういえばファッションなんかもどことなくベトナムっぽさを受けたなぁ。
comments