楽しみに待ちわびすぎて、伸びきっちゃうくらい首を長くして待ってましたが、ついに公開となったクリストファー・ノーランの『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』に続く、シリーズ3作目にして完結篇となる『ダークナイト ライジング(原題: THE DARK KNIGHT RISES)』を観てきました。満員御礼となった109シネマズ川崎のIMAXです。
這い上がったクリストファー・ノーランのひとつの集大成
エンディングは、最初に考えた。いつだってそうだ。どの映画をつくるときも、エンディングはとても大切だ。どう終わるかわからない映画は、つくると約束することすらできないよ。脚本を書き始めるずっと前から、この話がどう終わるのかは決まっていたんだ。
via: クリストファー・ノーラン
「人はなぜ落ちるのか?」「這い上がるために落ちるんだ」
この2つの台詞はシリーズを通して、特に『バットマン ビギンズ』と今作『ダークナイト ライジング』において繰り返し出てくる、ある種のキーワードのような台詞となっている。
幾度となく“這い上がる”ことを選択し、試練を乗り越えてきたバットマンに対し、2作目にしてもはや伝説的となった『ダークナイト』を経て、もがき苦しみながら完結篇を仕上げていったであろうノーランの姿がかぶるかのようだった。そしてバットマン(=ダークナイト)とともに、堂々たる姿で完璧なまでに這い上がってみせた。
ブルース・ウェイン 成長の物語
あなたの思いを踏みにじった私は、執事失格です。
via: アルフレッド
ですが、これであなたの命を救えるなら本望です。
アルフレッドが放った一言。いろいろあるだろうけど、ここに凝縮されてるような気がしたなぁ。
『ダークナイト』=『ジョーカー(ヒース・レジャー)』というイメージが強烈に残り、胸に刻まれてることは今さら言うまでもないけど、ノーランはこの3部作に対してブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)の成長の物語だとしている。
もちろんそれは同時にアルフレッド(マイケル・ケイン)やゴードン(ゲイリー・オールドマン)ら、バットマンを取り巻く周りのキャラクターの成長にも繋がっているわけで、特にアルフレッドの今作における行動や言動は、心を動かされるようなものとなっている。
忠実な執事として、時にはユーモアなどを混ぜながらブルースが幼い頃から見守り続けてきたアルフレッドが、闇の騎士としての自分に囚われ続けているブルースに対していてもたってもいられず、感情をあらわにして想いをぶつけ、執事の身から退き、涙まで流すシーンもある。こんなアルフレッドは見たことがないし、ちょっと見たくもないとも感じたけど、彼の一挙手一投足がとても考え深いものであることと成長を再確認でき、ラストではお互いの人生を全うしようじゃないか、ということが伺える。
バットマンは誰でもなれる...が
まさかスケアクロウがあんなところで出てくるとは思わなかったなぁ。考えてみれば恐ろしい。バットマンには誰でもなれるかもしれないけど、スケアクロウには誰でもなれないだろうからなぁ。
とにかく大満足で、一瞬な2時間45分でした。ロビンもカッコいいね。
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