blog | roughtab

Webディレクター/デザイナーtakasyiのウェブログ。日々の出来事や関心ごと・映画・写真・フットボール・Mac・Webデザインなどを中心に日本の片隅から細々と絶賛配信中。

クエンティン・タランティーノ『ジャンゴ 繋がれざる者』鑑賞

DJANGO UNCHAINED

3月1日に公開となったクエンティン・タランティーノ監督最新作『ジャンゴ 繋がれざる者』をワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘にて鑑賞してきました。

あくまでも“ジャンル映画”にこだわった最高峰のマカロニ・ウエスタン

奴隷制度が続いていたアメリカのあの時代について描く時、あまりに残忍な描写はできないんだ。あまりにシュールにもできない。なぜって、それが現実だったからさ。でもそういった光景を俺はこれまで、奴隷制度を扱った映画では正直、見たことがなかった。それで象徴的な物語の西部劇を作ろうと思った時、西部劇のルールを守りながら南部の奴隷制度を軸に作れば、すごく面白いぞって考えたんだ。

via: クエンティン・タランティーノ

DJANGO UNCHAINED 2

奴隷制度を扱ったジャンル映画を作りたいという思いを少なくとも10年間は持っていたというタランティーノが、そのアイデアをマカロニ・ウエスタンと見事に融合させた一点の曇もない最高の一本を世界に解き放った。タランティーノがマカロニ・ウエスタンを撮ったという既成事実だけで、もはや彼の『ジャンゴ』は大成功と言えるのかもしれない。

前作『イングロリアス・バスターズ』のナチスに続き、今作も奴隷制度という歴史的背景を大きな要素として物語を構成している。ジャンル映画にこだわり続けている中で、この2作は今後のタランティーノ映画においても重要な作品になりそう。
そうした彼の映画作りに対する意識や考え方などを察すれば察するほど、映画ファンのみならず『ジャンゴ 繋がれざる者』は暴力性と正義感と皮肉が一体となった超痛快最高傑作とも捉えられるんじゃないかとワクワクしてくる。

DJANGO UNCHAINED 3

ムッシュ・キャンディの執事スティーブン役を演じたサミュエル・L・ジャクソン。サミュエルをあんなふうに撮れるのはタランティーノしかいないですね。そしてレオナルド・ディカプリオ。今作でとても楽しみだったポイントのひとつとしては、タランティーノ映画でレオナルド・ディカプリオがどう立ち居振る舞うのか、という部分だったんですが、最高でしたねムッシュ・キャンディ。
初の悪役っていう見せ方になってるけど、悪役というよりは地位も名誉もあって、金がありあまってて、アンダーグラウンドな趣味に走っているフランスかぶれ変態大富豪役でしょうかね。食卓で瞳孔おっ開いて髑髏をカットするシーンなんて恐ろしすぎます。

キング・シュルツがバーでビールを注ぐシーン、ジャンゴたちを襲撃した白人たちが被ってた覆面のクオリティについてのくだり、強く影響を受けているセルジオ・コルブッチ監督「続・荒野の用心棒」のジャンゴ役、フランコ・ネロがカメオ出演していて名前と名前の綴りを聞くシーン、タランティーノがダイナマイトでぶっ飛ぶシーンなどなど、すぐにでもまた観たくなるシーンの連発です。ゾーイ・ベル出てたの気付かなかった...。

ちなみに“ファック”の最多登場映画は281回で『パルプ・フィクション』だそうなんですけど、今作『ジャンゴ 繋がれざる者』では、“ニガー”が1〜2分に1回出てくる計算で137回だそうです。この記録もタランティーノ自ら塗り替えてってほしいもんですね。

3月1日のニッポン・ダンディで放送されたタランティーノのインタビュー必見です。16分頃から。

category

Movie

share

related articles

comments