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Webディレクター/デザイナーtakasyiのシネマアーカイブ。単純に観た映画を覚えとく手段のひとつになるメモ書き程度のテキスト。休みの前の日に、夜中遅くまで映画観るのとかたまらんですよね。

世界侵略:ロサンゼルス決戦 / WORLD INVASION: BATTLE LOS ANGELES

WORLD INVASION: BATTLE LOS ANGELES

2

2011年 / アメリカ
監督:ジョナサン・リーベスマン
脚本:クリストファー・バートリニー
出演:アーロン・エッカート / ミシェル・ロドリゲス / ラモン・ロドリゲス / ブリジット・モイナハン / Ne-Yo / マイケル・ペーニャ / ルーカス・ティル / アデトクンボー・マコーマック

ミシェル・ロドリゲスがいたからもってたようなもん。

ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル / Mission: Impossible Ghost Protocol

Mission: Impossible Ghost Protocol

4

2011年 / アメリカ
監督:ブラッド・バード
脚本:ジョシュ・アッペルバウム / アンドレ・ネメック / クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ / ジェレミー・レナー / サイモン・ペッグ / ポーラ・パットン / ミカエル・ニクヴィスト / ウラジミール・マシコフ / ジョシュ・ホロウェイ / アニル・カプール / レア・セドゥー

メガホンを取ったのは『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』などのアニメを手掛け、『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』で実写初挑戦となるブラッド・バード監督。

J・J・エイブラムスの前作M:i-3(2006)からのキャラ(ベンジー)や設定も引き継がれ、大きな見せ場としてはやっぱり“NO CG, NO STUNT”で撮られたドバイの超高層ビル“ブルジュ・ハリファ”でのトム・クルーズの体を張ったアクションシーンになるんだろうけど、M:iとしては全体を通して良い意味で違和感を感じる印象でした。

序盤でのクレムリンでの爆発事故以降、イーサンを追跡するロシア人捜査官が“チームリーダー”というキーワードでイーサンに詰め寄るシーンが何度かある。一匹狼のイメージが先行してるイーサンのことを呼ぶ名称としては少し違和感がある。

最新テクノロジーを駆使して作られた数々のアイテムには毎回興奮させられる。「潜入捜査」にそういう発想を取り入れちゃったかーと思わずにはいられなかった、iPad2とスクリーンを使った“デジタルだるまさんが転んだ”にはさすがに笑えた。

いつもであればそれらのアイテムをカッコ良く使って危機を脱したりするのに、今作では不具合が多く目立つ。それにより、イーサンをはじめ、エージェントたちが頼りなく見えたりもする。M:iシリーズの十八番とも言える変装用フェイス・マスク製造機が仕上がり間近でショートしたり、挙げ句の果てには「ミッションの内容を聞いたらそのデバイスは消滅する」という設定すら破って、"一昔前の洗濯機が動かなくなって叩いて直す的"なアプローチまである。観てる誰しもがもつ大きな違和感だ。

モスクワ、プラハ、ドバイ、ムンバイ、バンクーバーと世界を旅するかのような壮大なロケ地、砂嵐の中でのカーチェイス、立体駐車場でのクライマックス等々のアトラクションとも言える演出の凝ったアクションシーンに加え、これらの“違和感”の数々が作品としての興味深さを、より強くさせている。

意見が分かれる部分とは思うけど、シリーズものでも大胆な修正を加えて変化を求め、少しでもエンターテイメントとしての姿を追求する意図が垣間見える大作だと思います。

UNTER KONTROLLE / アンダー コントロール

UNTER KONTROLLE

4

2011年 / ドイツ
監督:フォルカー・ザッテル
脚本:フォルカー・ザッテル

『アンダーコントロール』はすでに原発全廃を決めたドイツの関連施設や携わる人々の日常を、3年の歳月をかけて撮影したドキュメンタリー映画である。監督の“事実を直視する”という意図がダイレクトに届く内容で、これが地球上のものとは思えないくらいの無機質な施設内部や精密機器の数々に、時にうっとり見とれてしまうことすらあった。その世界からふと帰ってきて、これは原発なんだという事実を思い起こされた時の感情の起伏は大きい。

原発推進でもない。原発反対でもない。あくまでもフラットな立場で制作したんだなと感じられるけど、最新技術を持ってしても巨大なエネルギーを管理していく困難さ、一度動き出した原発を廃炉にする困難さ、地下600mに貯蔵されている放射性廃棄物の姿、無人の施設に不気味に鳴り響くサイレンなどなど、圧倒的な映像力で語りかけてくる。

一番印象的だったのは、カルカー高速増殖原型炉が1991年に計画中止となって、今ではワンダーランド・カルカーという名で遊園地として利用されていて、子供たちが冷却塔の中にある空中ブランコで遊んでるシーン。これは何を物語っているのか。どう理解すればいいのか。

とにかく、映画館を出たあとには、たくさんの人の目に触れるべき作品で、自ら足を運びお金を払ってでも見るべき映画なんだと強く思いました。

冷たい熱帯魚 / COLDFISH

冷たい熱帯魚

4

2010年 / 日本
監督:園子温
脚本:園子温 / 高橋ヨシキ
出演:吹越満 / でんでん / 黒沢あすか / 神楽坂恵 / 梶原ひかり / 渡辺哲 / 諏訪太朗

すべてにおいて体当たり。でんでんスゴすぎる...。素晴らしい傑作だと思います。

GOMORRA / ゴモラ

GOMORRA

4

2008年 / イタリア
監督:マッテオ・ガローネ
脚本:マルリツィオ・ブラウッチ / ウーゴ・キーティ / ジャンニ・ディ・グレゴリオ / マッテオ・ガローネ / マッシモ・ガウディオソ / ロベルト・サヴィアーノ
出演:トニ・セルヴィッロ / ジャンフェリーチェ・インパラート / マリア・ナツィオナーレ / サルヴァトーレ・カンタルーポ / ジージョ・モッラ / サルヴァトーレ・アブルツェーゼ / マルコ・マコール / チーロ・ペトローネ / カルミネ・パテルノステル / シモーネ・サケッティーノ

「GOMORRA(ゴモラ)」とは、旧約聖書のエピソードで神の怒りに触れて焼かれた商業都市の名前だ。

日焼けサロンでくつろいでる強面の大男たちが次々に殺される。まさに“焼かれた”という表現がピッタリ当てはまりそうな惨殺シーンから映画は始まる。闇と日焼けマシーンの青白い照明のコントラストも印象的で、タイトルにふさわしいオープニングと言えようか、と思うと同時に、これからただ事じゃない何かを見せつけられるという一種の絶望感もグッと立ちこめる。

ナポリを拠点とするイタリア最古かつ最大の都市型暴力・犯罪組織集団“カモッラ”。そのカモッラと関わっている人々の日常や生活を、冷酷なまでにただただ淡々と描くドキュメンタリータッチな群像劇。監督自らも偶然見かけたかのように撮りたかったと話す意図が突き刺さる。紛れもなく“現場”にいるかのような恐ろしさに包まれた2時間15分となった。

そういう形態があるのみで、誰を責めるわけでもなく、誰が悪いわけでもない。観る側として感情移入出来そうなのは“カモッラ”から抜け出したいと行動する人々になりそうだけど、特別にそこにウエイトを置いてるわけでもなく、言ったら平等に表現されている。

“個”などはいっさい存在しなく、とてつもなく巨大で形のはっきりしない裏の“組織”であり“産業”であり“社会”であり“現代”を、まざまざと見せつけられて何を想えばいいのか。知ることに意義があるのか。

演出としてはノンフィクションにすごく寄っていて、“真実に限りなく近いもの”こそ怖くて伝わるものも多い。回り回って自分の身近なところにまですでに忍び寄ってると感じざるを得ない。重量感たっぷりの映画でした。