2010年 / アメリカ
監督:ジェームズ・ガン
脚本:ジェームズ・ガン
出演:レイン・ウィルソン / エレン・ペイジ / リヴ・タイラー / ケヴィン・ベーコン / ネイサン・フィリオン / グレッグ・ヘンリー / マイケル・ルーカー
まさに劇中に出てくる“コマとコマの間”を、痛々しく荒々しく哀しさも残すように表現した一本でした。冴えない夫フランク(レイン・ウィルソン)とセクシーでイカれたジョック(ケビン・ベーコン)のビジュアルとキャラが絶妙のバランス。両者が卵料理を食べてたシーンなんかはドキドキしました。クリムゾンボルトの相棒になりたくて必死なボルティーを演じたエレン・ペイジも最高じゃないですかコレ。
ジェームズ・ガン監督が話す“ぶっ飛んでいる”とか“道徳的に見て怪しい”という部分の表現で好みも分かれるところでしょうが、実際にひょんなことをキッカケに“スーパーヒーロー”に憧れて行動したら、こんな具合になるだろうっていうリアルさがある。列に割り込んでくるヤツを半殺しにするとか、正義という名のもとでとった行動とはいえ、一歩退けば“狂気”になる。
その“狂気”という名の火に油を注いだのが相棒のボルティーで、ジョックの館に乗り込むクライマックスでは壮絶なバトルが繰り広げられる。
そしてあのエンディング。“スーパーヒーロー”を志した者が進む道は、ああいうものなのかもしれません。
話題をかっさらった『キック・アス』に便乗したパチもんなんじゃねーの?的なイメージが先行しがちではありますが、まったく異なるアプローチでとてつもなく面白かった。繰り返し観たいヒーロー映画の1つになりました。