2012年 / アメリカ
監督:ジョス・ウェドン
脚本:ジョス・ウェドン
出演:ロバート・ダウニー・Jr / クリス・エヴァンス / マーク・ラファロ / クリス・ヘムズワース / スカーレット・ヨハンソン / ジェレミー・レナー / トム・ヒドルストン / クラーク・グレッグ / ステラン・スカルスガルド / コビー・スマルダーズ / グウィネス・パルトロー / サミュエル・L・ジャクソン
『アベンジャーズ』は、マーベルのシネマティック・ユニバース(スーパーヒーロー映画作品が共有する架空の世界)として製作された『アイアンマン』『ハルク』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の各ヒーローが、長官ニック・フェリー(サミュエル・L・ジャクソン)率いる国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.(シールド)と呼ばれる組織に集結し、地球侵略を謀る宇宙人種族チタウリの軍団に立ち向かう話となっている。
このイントロダクションの時点ですでに「お腹いっぱい、もう食べれない」という状況にも関わらず、ここからさらに拡張して世界観が広がっていく想像が容易にできる点が『アベンジャーズ』のひとつの大きなポイントかもしれない。
ニック・フェリーは間違いなくまだいろいろ隠しているだろう、別の地域でアベンジャーズみたいな計画が進行してるんじゃないのか、そんなことを思いながらあのラストを受ければ、これから果てしない壮大な世界観が待っていると期待せざるをえない。
脚本と監督を手がけたジョス・ウェドンが『アベンジャーズ』を撮るにあたって参考にした映画は『七人の侍』(黒澤明監督/1954年)、『特攻大作戦』(ロバート・アルドリッチ監督/1967年)、『ブラックホーク・ダウン』(リドリー・スコット監督/2001年)の3作品とのことで、あらかじめ戦争映画にすると話していたそうだが、各ヒーローに標準を当てても、誰一人として“消えてる”ヒーローがいないという点が素晴らしかったです。
“消えてる”というのは、「あれ?そういえばアイツは...?しばらく出てきてないけど...」みたいな、この手の作品ではありがちになってしまいそうな展開がまったくない。どのヒーローたちにも特徴を活かした大きな見せ場があり、すごくバランスがとれている群像劇。特に後半でヒーローたちが入れ替わり立ち代わりクロスするように描かれる戦闘シーンは鳥肌が立ちっぱなしでした。
バイクに乗って遅れて登場してきたバナーがハルクになって大暴れしたときのインパクトはやや強く残ったけど...。
ファンとして特に脳汁が出たシーンを挙げるとすれば、スタークとキャプテンが初めて並んで映ったシーン、ブラック・ウィドウvsホークアイ、フィル・コールソン(シールドのベテランエージェント)の最期、キャプテンのリーダー級の指示、スタークタワーから落ちるスタークがパワードスーツ(マークⅦ)を身にまとうシーン、ハルクがロキ(ソーの義理の弟)をボコボコにするシーン、スタン・リーのカメオ出演、とまぁ月並みになってるかもわかりませんが...。全クレジットが終わったあとの一コマもステキでした。マリア・ヒル(シールドの副長官)もカッコ良かった。今後の活躍にも期待が持てますね。
『アベンジャーズ』を観てない人はここまで読んでることもないと思うんであんまり意味はないかもしれないけど、それらがあくまでも“前提”としてある作品だから、やはりシネマティック・ユニバースの5本は押さえた上での鑑賞を強く推奨しますね。
『アイアンマン』⇒『インクレディブル・ハルク』⇒『アイアンマン2』⇒『マイティ・ソー』⇒『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』って感じで、単純にアメリカでの公開順に観ていくのがベストかと思われます。