cinema | roughtab

Webディレクター/デザイナーtakasyiのシネマアーカイブ。単純に観た映画を覚えとく手段のひとつになるメモ書き程度のテキスト。休みの前の日に、夜中遅くまで映画観るのとかたまらんですよね。

ぐるりのこと。

ぐるりのこと。4

2008年 / 日本
監督:橋口亮輔
脚本:橋口亮輔
出演:木村多江 / リリー・フランキー / 倍賞美津子 / 寺島進 / 安藤玉恵 / 八嶋智人 / 寺田農 / 柄本明 / 木村祐一 / 斎藤洋介 / 温水洋一 / 加瀬亮 / 田辺誠一 / 横山めぐみ

凶悪事件を犯した人間を一定の距離を持ち、客観的に捉えて描く法廷画家という仕事をこなしつつ、女好きで感情を表に出さずに淡々と生きるカナオを演じたリリー・フランキーもそうなんだけど、なんといっても木村多江。

週3回はセックスする日を決めといたりで何事にもきっちりしてる序盤の役回りも去ることながら、流産して精神的にバランスを崩し始めたあたりから、作家の原稿を勝手に書き換えた後輩を叱ったあと窓の外を通る電車の色が反射するシーン、本屋でのサイン会、台風の日に家でカナオがクモを殺しちゃったくだりなどなど、印象に残る素晴らしい演技。

面倒くさかったり、どうしたらいいかわかんなかったり、いろいろあったけど、なんだか優しい気持ちになりました。決して大袈裟ではないささやかな幸せを感じました。画を描くのっていいなってあらためて思いました。「描くのも技術だけど、生きるのも技術」。

12人の怒れる男 / 12

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2007年 / ロシア
監督:ニキータ・ミハルコフ
脚本:ニキータ・ミハルコフ / ヴラディミル・モイセイェンコ / アレクサンドル・ノヴォトツキイ=ヴラソフ
出演:セルゲイ・マコヴェツキー / ニキータ・ミハルコフ / セルゲイ・ガルマッシュ / ヴァレンティン・ガフト / アレクセイ・ペトレンコ / ユーリ・ストヤノフ / セルゲイ・ガザロフ / ミハイル・イェフレモフ / アレクセイ・ゴルブノフ / セルゲイ・アルツィバシェフ / ヴィクトル・ヴェルズビツキー / ロマン・マディアノフ / アレクサンドル・アダバシャン / アプティ・マガマイェフ

不朽の名作とされる「十二人の怒れる男」(シドニー・ルメット監督)を、ロシアに置き換えてリメイク。殺人容疑の若者を裁く12人の陪審員の法廷ヒューマン・サスペンスで、体育館での審議のし合いが緊迫してましたが、とにもかくにも社会背景とかがぐいぐい出てきて、ロシアに向けられた映画だったなぁーというのが第一印象。

自分だったらまずどっちに票を入れてて、あんなことを言う人が出てきたら意見がかわるのかどーなのか、第一あんな場所でまともに考えられるのかとかいろいろ想像しながら観てたけど、最後の芸術家のオッサンの発想までは考えてなかったなー。人を裁くって何なんでしょうか。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 / THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON

THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON4

2008年 / アメリカ
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:エリック・ロス
出演:ブラッド・ピット / ケイト・ブランシェット / ティルダ・スウィントン / ジェイソン・フレミング / イライアス・コティーズ / ジュリア・オーモンド / エル・ファニング / タラジ・P・ヘンソン / フォーン・A・チェンバーズ / ジョーアンナ・セイラー

生まれたときに見た目が80歳。老女に「あたしの旦那にそっくり」と言われる0歳。周りの老人たちはどんどん天に去って行くが、背筋もピンとしてきて体毛も豊かになっていく。そんな普通じゃなさ過ぎる普通じゃない人生の立ち上がり。世界中でただ自分一人だけが違うベクトルに歳を重ねるベンジャミン。

物語が進むにつれ「歳をとる=若返る」というベンジャミンサイドの視点と、「歳をとる=老いる」というベンジャミン以外の人たちの視点が交差して、果たして「80歳で生まれて0歳で死ぬ」のは幸せなことなのかとか考えて妙な感覚になったけど、結局同じ分だけ時間は経ていくわけで、みんな「歳をとる」のには変わりはない。

特殊技術のメイクやCGも駆使されてはいるものの、人生のほとんどのシーンでどちらも登場してきて、特に「若返る」というそれこそ普通じゃなさ過ぎる無茶振りな設定の中、ベンジャミンの人生を演じきったブラッド・ピットはお見事の一言。特殊メイクにも負けてません。一瞬、『リバー・ランズ・スルー・イット』の頃のブラピみたい!とか思ったりもして懐かしかったですが。

セブン』、『ゲーム』、『ファイト・クラブ』などなど、大好きなフィンチャーの作品から一転したと言っても過言じゃない前作の『ゾディアック』では実際に起こった話を元に、物語として伝えることに専念。この『ベンジャミン・バトン』もそういう意味では愛とか死とか人生とかっていう普遍的なテーマを忠実に、かつ数奇に描ききったなーっていうのがなんだかもやもやっとしながら見終えた直後の印象。それでもラストの病室からカメラが引いていくシーンからエンドロールにかけてはフィンチャーのそれを感じました。

たみおのしあわせ

たみおのしあわせ3

2007年 / 日本
監督:岩松了
脚本:岩松了
出演:オダギリジョー / 原田芳雄 / 麻生久美子 / 大竹しのぶ / 小林薫 / 冨士眞奈美 / 忌野清志郎 / 川辺久造 / 横山通乃 / 藤井びん / 今宿麻美 / 三木聡 / 石田えり / 原田貴和子

なんだか終始ゆる〜い妙な雰囲気で進んでいったなぁ。どう表現したらいいのか、あの空気感は。引きこもり息子の親父役を演じた原田芳雄がスゴくリアルだった。そしてあの弟。ホント何なんだろうこの不思議な感覚...。麻生久美子に着物着てふすま越しに見つめられるシーンは必見か。

純喫茶磯辺

純喫茶磯辺2

2008年 / 日本
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
出演:宮迫博之 / 仲里依紗 / 麻生久美子 / 濱田マリ / 近藤春菜 / ダンカン / 和田聰宏 / ミッキー・カーチス / 斎藤洋介

ひとまず麻生久美子があんな格好でコーヒーを持ってきてくれるのなら毎日通っちゃうんだと思います。酔ったときのあの思わせぶりな態度もヤバいですね。思ってた以上に宮迫がハマり役だったです。